ガラスと人類の歴史はすでに数千年!

<ガラスの起源>
ガラスは紀元前数千年に誕生した。

ガラスの起源は、紀元前数千年までさかのぼるらしい。場所はメソポタミアかエジプト。ひとりの船乗りが砂浜で焚き火をしていて、潮風を遮るため、たまたまそばにあった岩塩を使ったところ、偶然、岩塩が焚き火の熱で溶けて砂と反応し、世界で最初のガラスが誕生したといわれている。

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<古代のガラス>
型からガラス器をつくる「型押し法」が確立。

紀元前1500年頃になると、メソポタミアやエジプト、シリアなどでは、粘土で型をつくり、溶かしたガラスを押しつけて成型する「型押し法」などの製造技術が確立した。これよってガラス器の普及は進むが、一個一個、型をつくって成型するため、もちろん大量生産は不可能。生活用品というよりは、とても高価な装飾品だったに違いない。

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<ローマ帝国時代>
ガラス工芸史上もっとも画期的な技術革命が。

紀元前30年頃から紀元4世紀までのローマ帝国時代、「吹きガラス技法」という新しい製造技術が発明された。これは、鉄パイプの先に溶かしたガラスを水飴のように巻き取り、息を吹き込んで風船のようにふくらませて成型する方法で、現在もなお世界中で受け継がれている基本的なガラス製造技法なのだ。これによって、球形や円筒状までさまざまなかたちや大きさのものがつくれるようになり、ローマン・グラスと呼ばれる独特のガラス工芸が花開いた。またこの頃、ガラスの窓も誕生した。

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<中世のガラス>
ステンドグラスが一大ブーム。板ガラス製法も確立。

ローマ帝国が滅亡すると、ガラス職人たちは周辺諸国に移住し、土地土地に根をおろして独特のガラス器を誕生させた。とくにビザンチンで生まれたステンドグラスは、東方の回教国でも一大ブームを巻き起こし、西洋のガラス工芸の基礎になったといわれている。

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写真 一方、イタリアのヴェニス共和国ではヴェネツィア・グラスが生まれ、一世を風びした。また、大きな板ガラスや鏡をふんだんに取り入れ豪華さを競った中世の建築は、必然的に、板状のガラスをつくる技術も発達させた。吹きガラス技法でふくらませたガラスを回転させ、遠心力で平らにする「クラウン法」、溶かしたガラスを大きな金属テーブルの上に流し、ローラーで均一にする「鋳造法」などが発明された。

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<近世のガラス>
大きな板ガラス製造へ向けて。

中世の時代でガラス器の製造技術はある程度確立されたが、建築にガラスが多用されるようになるにつれ、ガラス工芸と板ガラスははっきりと分化しそれぞれ独自の道を歩み出す。より大きく平らな板ガラスの製造へ向け、さまざまな方法が試みられたのが近世の歴史だ。ドイツなどでは吹きガラスで長い円筒をつくり、切りひらいてのばしたあと再び加熱して平らな板にする「手吹き円筒法」などが発明された他、17世紀、フランスでは、鋳造法により作られたガラス2枚を石の上でこすり合わせて粗摺り(あらずり)し、フェルトで仕上げる磨き板ガラスが開発されたが、手間がかかるぶん、恐ろしく高価なものになったらしい。

<近代・現代のガラス>
板ガラスの大量生産方式が完成。

20世紀に入ると、板ガラスの製造法は急速に発達した。最初から板として成型する「フルコール法」「コルバーン法」といった方法が発明され、20世紀のはじめにはすべて自動化された大量生産方式も完成する。また、完全な平行平面をつくるための磨板ガラスの技術も発達した。そして50年代、板ガラス技術の革命ともいうべき「フロート法」が誕生し、現代の板ガラス製造が確立した。

<日本のガラスの歴史>
西欧ガラスはフランシスコ・ザビエルが伝えた。

日本では、紀元200年代までの弥生時代の遺跡から、まが玉、くだ玉といった装飾品が多数発見されていて、これらが日本で最古のガラスといわれている。古代から中世にかけては、仏教の隆盛にともなって、仏像や仏具、七宝にガラスが使われ、徐々に普及していった。1549年、ポルトガルの宣教師フランシスコ・ザビエルが日本にやってきたが、このとき持ってきたガラスの鏡や遠めがねが、日本で最初の西欧ガラスとされている。鎖国時代はポルトガルやオランダ、イギリスからさまざまなガラス器が渡来し、「ビードロ」「ギヤマン」と呼ばれて人々に大いに珍重された。1570年代にはガラス製造法も伝えられ、徳利や風鈴、彩色ガラスの灯ろうなどガラス細工づくりも盛んになったらしい。独特のカットをもつガラス器「切子(きりこ)」も生まれ、なかでも薩摩切子の皿、丼、コップ、茶碗、江戸切子の鉢やくしが人気を集めた。
板ガラスの登場は明治維新後のことで、本格的な板ガラス工業の誕生は、明治40年の旭硝子の設立に始まる。

 

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